人生で、少し後悔していることがある。
ちゃんと恋愛をしたことがない。
女性と付き合ったことはある。
結婚もした。
でも、そういうことじゃない。
中学生の男女が、なんとなくお互いを好きになって、一緒に帰る。
高校生になって初めて彼女ができて、手をつなぐだけで緊張する。
そういう恋愛だ。
僕には、それがなかった。
中学生のころの僕は、陰キャだった。
どもりもあった。
成績はかなり良かったけれど、いじめられてもいた。
女の子とどうこうなんて、そんな感じじゃなかった。
高校生になっても、大して変わらなかった。
そして大学1年のとき、旅行サークルでバンコクへ行った。
そこで童貞を捨てた。
場所はパッポン。
相手はゴーゴーバーの女の子だった。
買った。
それが僕の最初だった。
今考えると、ずいぶん変なスタートだと思う。
その後、女性との付き合い方を覚えたのは、出会い系だった。
エキサイトフレンズ。
Yahoo!チャット。
女の子っぽいIDを見つけては話しかけて、会話を盛り上げて、実際に会った。
前の記事にも書いたけれど、僕にとってはあそこが恋愛の学校みたいなものだった。
だから大人になってからの恋愛経験が、まったくないわけではない。
それでも48歳になって、ときどき思う。
中学生とか高校生のころに、普通に恋愛してみたかったな。
別に大恋愛じゃなくていい。
好きな子と一緒に帰るとか。
告白して振られるとか。
付き合ったけど三か月で別れるとか。
そんなのでいい。
たぶん、その年齢でしかできない恋愛がある。
大人になってから女性と付き合うことはできる。
結婚だってできる。
でも、15歳の恋愛だけは、48歳になってからやり直すことができない。
金を持っていても無理だ。
仕事がうまくいっても無理だ。
若いころは、
「彼女がいない」
ということばかり気にしていた。
今になって思うのは、彼女が欲しかったというより、
あの年齢で誰かを好きになる経験をしてみたかった。
ということなのかもしれない。
人生をやり直したいとは思わない。
今の人生は今の人生で、悪くない。
でも一つだけ、
「あれ、やってみたかったな」
と思うものがある。
僕にとっては、
放課後に好きな女の子と一緒に帰ることだった。


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