貯金を頑張るのをやめたら、金が貯まり始めた。

僕は、貯金が苦手だった。

というより、

銀行口座にお金があると、使ってしまう。

100万円あれば、

「100万円あるな」

と思う。

20万円使っても、

「まだ80万円あるな」

と思う。

また20万円使っても、

「まだ60万円あるな」

と思う。

そして、いつの間にかなくなる。

若いころの僕は、だいたいそんな感じだった。

だから40歳を過ぎてから、考え方を変えた。

貯金を頑張るのをやめた。

代わりに、

自分からお金を取り上げる仕組みを作った。

これが、僕には合っていた。

「余ったら貯金」は、永遠に余らない

昔の僕は、

「今月余ったお金を貯金しよう」

と思っていた。

でも、余らない。

当たり前だ。

口座にお金があれば、

飲みに行く。

何か買う。

ちょっといいものを食べる。

別に、一回一回は大した金額ではない。

でも、

「今月はちょっと使ったな」

が毎月続く。

そして年末になると、

「あれ? 今年も全然貯まってないな」

となる。

何年もそれを繰り返した。

そこでようやく気づいた。

余った金を貯めようとしているから、貯まらないんじゃないか。

最初に、自分から4万円を取り上げた

最初に始めたのは、小規模企業共済だった。

当時は月4万円くらい。

毎月4万円が先に出ていく。

僕の感覚としては、

「4万円を貯金する」

ではなかった。

最初から4万円少ない給料で暮らす。

こっちに近かった。

たとえば40万円入ってきても、

「40万円ある」

と思わない。

最初から36万円しかないものとして生活する。

すると不思議なもので、だいたいその中で何とかする。

人間というのは、ある金で暮らすようにできているらしい。

少なくとも僕はそうだった。

小規模企業共済の「見えなさ」がよかった

小規模企業共済で僕が気に入っているところがある。

普段、いくら貯まっているのかをあまり意識しない。

これがいい。

銀行預金なら、スマホを開けば残高が見える。

100万円。

200万円。

数字が見えると、僕の場合、

「これくらいなら使っても大丈夫だろう」

という悪魔が出てくる。

小規模企業共済は違った。

毎月引かれる。

そして忘れる。

たまに通知が来る。

開いてみる。

「お、結構貯まってる」

そして、また忘れる。

僕にはこのくらいがちょうどよかった。

次にiDeCo

その次にiDeCoを始めた。

これも僕には向いていた。

なぜなら、

簡単には使えないからだ。

若いころの僕なら、

「急にお金が必要になったらどうするんだ」

と思ったかもしれない。

でも貯金が苦手な人間にとって、

「使えない」

というのは、むしろ長所だった。

僕が一番信用できなかったのは、

株式市場でも銀行でもない。

自分だった。

手元にあれば使う。

だったら、手元に置かなければいい。

単純な話だった。

そしてNISA

その後、NISAも始めた。

ここまで来ると、

「余ったら貯める」

という発想は、ほとんどなくなっていた。

先に積み立てる。

残ったお金で生活する。

順番を逆にした。

昔は、

収入 − 生活費 − 遊ぶ金 = 貯金

だった。

今は、

収入 − 先に積み立てる金 = 使っていい金

になった。

僕にとって大きかったのは、投資先がどうこうということより、この変化だったと思う。

節約家にはなっていない

誤解のないように書いておく。

僕は今でも、節約が得意ではない。

安いスーパーを何軒も回ったりもしない。

飲みに行くこともある。

欲しいものがあれば買うこともある。

家賃だって安くない。

だから、

「生活を切り詰めて資産を作りました」

という話ではない。

むしろ逆だ。

僕はたぶん、これからも急に節約家にはなれない。

だったら、

自分の性格を変えるより、仕組みを変えたほうが早い。

そう思うようになった。

収入が増えたときが危ない

もう一つ大きかったことがある。

40代半ばくらいから、仕事の収入が少しずつ上がった。

昔より稼げるようになった。

普通なら、

「やった。使える金が増えた」

となる。

僕も放っておけば、そうなっていたと思う。

だから、増えた分を全部生活水準に回さないようにした。

積み立てる金額を増やした。

これも、

「頑張って節約した」

という感覚ではない。

自分が使う前に持っていった。

それだけだ。

気づいたら、まとまった金額になっていた

前の記事にも書いたが、小規模企業共済、iDeCo、NISAなどを合わせると、あるとき1000万円くらいになっていた。

40歳を過ぎるまで、まともに貯金できなかった僕が、である。

そのとき、

「ああ、俺は貯金できない人間じゃなかったんだ」

と思った。

正確には違う。

今でも僕は、たぶん貯金は苦手だ。

ただ、

貯金が苦手な人間でも、お金が残る仕組みは作れる。

それだけだった。

意志の力なんて、あまり信用しない

「今年こそ貯金する」

「今月は無駄遣いしない」

「飲みに行く回数を減らす」

昔の僕も、たぶん何度か思った。

でも続かなかった。

48歳になった今は、自分の意志をそこまで信用していない。

疲れている日もある。

飲みたい日もある。

買いたいものも出てくる。

毎日、

「老後のために我慢しよう」

なんて考えながら生きるのもしんどい。

だから僕は、

元気で冷静なときの自分が、先に仕組みを作っておく。

あとは、ダメな日の自分に任せる。

使える範囲なら使えばいい。

貯金を頑張るのをやめた

結局、僕がお金を貯められるようになった理由は、すごく単純だった。

貯金を頑張るのをやめた。

お金の勉強をして、完璧な投資家になったわけでもない。

急に倹約家になったわけでもない。

ただ、

使う前に、お金を自分から取り上げるようにした。

小規模企業共済。

iDeCo。

NISA。

それぞれ仕組みは違うけれど、僕にとって共通しているのは、

「これは使う金じゃない」

と最初から分けてしまえることだった。

貯金できない自分を直すのに、ずいぶん時間を使った。

でも、直す必要なんてなかったのかもしれない。

自分の性格なんて、そう簡単には変わらない。

だったら、

性格はそのままで、仕組みだけ変えればいい。

少なくとも僕には、それが一番効いた。

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